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そよ吹く

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農業のこと

大きなメタセコイア、どんどん色が変わっています。
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見上げて思うのは、きれいだなあというのが半分と、まだまだ落ちてくるなあという溜息が半分。
樹が大きいので落ち葉(枝付きも)はものすごい量です。どうやって掃き集めよう?と毎朝思います。
でも、もみじもたくさん集まるのでつい見とれますよ。一番楽しんでいるのはわたしかもしれません。
農業のこと_e0252602_20344360.jpg

今日は大学院生さんたちが農業体験+園主とのお話にいらしていましたので、いっしょに席に着き、
メモを取りました。みなさん熱心で、農業を大事に思ってくださる方々です。

せっかくですのでその中でのお話を少し書こうと思いますが、長くなりそうなので、
今日、明日の二回に分けます。明日は「有機農業について」書きますね。今日は「農業について」。

山や畑は、水を蓄え、空気を浄化し、土砂崩れを防いだり、美しい景観を提供したり、
動植物をはぐくんでいます。人の心も育てます。日本に住んでいる人すべてがその恩恵を得ています。
でも、以上のような部分はお金には代えられません。材木や農産物を売って収入を得ますが、
そこで輸入される木材、農産物と価格の競争になります。
経済の理論では安いものを買えばよいです。ただその結果、山も農地も日本から姿を消していっています。
自然がなくなって困るのは農業に携わっている人だけでなく、いままで恩恵を受けてきたみんなです。
山や農地は、値段が付けられるような物を作るだけの場所ではないということが一つ。

二つ目は、農家に支払われる補助金について。農家の平均収入は年300万円だそうです。
一人でではないですよ。夫婦でそれくらいが平均だそうです。
マスコミが「農業は年収の2割が負担されている」と言うと、普通の人たちは自分の年収を参考に計算するでしょう。そもそも正確に伝えようという気がないのかしら?と思ってしまいますね。

ヨーロッパのいくつかの国では、たとえば作るのに100円かかる作物に対して8割を国が負担しています。
つまり、農家は100円かかるものを20円以上でで売れば利益をあげることができ、競争が成り立つのです。
アメリカは、国がギリギリの価格(100円)で買いあげるという方法を取っているそうです。
日本に関して言えば、保障されているはずのお金は、水道を通し、農道を作るためにあらかじめ決まっている会社に支払われ、これまで農家には入っていなかったという現実もあるようです。
それらの水道にしても、本当には使えないものが作られることもあったそう。
道も水道も初めから張り巡らされている場所に住んでいると、何もないところに必要なものを整えることに想像が至らないことがありますが、生きていくためにいろんな補償を受けているのは、むしろ都市に住んでいる人たちの方です。それが二つ目。

最後に、杉・五兵衛農園をはじめた理由をお聞きしましたのでそれを書いて今日は終わりにします。
市場では、ひとつやふたつの作物は買ってもらえません。何キロ、何10キロと同じものが集まって、
初めて値段がつきます。だからと言って果物一つに価値がないわけではない。
食べたいものは、何10キロの柿ではなく、美味しい柿ひとつで十分なはずです。
一つの柿に正当な値段を付けられるように、と考え、40年前に杉・五兵衛農園が生まれました。

小難しくなってしまいましたね~。明日は「有機農業について」ですよ。

テルイ
杉・五兵衛ホームページ
by Yeyuruika | 2011-12-03 22:01 | 農業話